僕はきっと旅に出る

情報に疎く、垢抜けず、光を避けて歩くタイプの人間が、旅に出てしまい、どこにでもある体験やありふれた事をわざわざ発表しているブログ。

奄美大島前半 マングローブ・お魚・白い雲

何が見える?
樹木、泥、小さな生き物、澄んだ水…カヌーに乗るホモ・サピエンス
何が見えるか教えてくれ。
…何も。
何もじゃない。マングローブだ。

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奄美大島住用町マングローブ茶屋のカヌーサービスを利用し役勝川を下る。
カヌーは初めてだが指南役の言うことを聞けば操作はさほど難しくはない。慣れれば楽しくなってくる。
俺は普段、運動を全くしない。スタミナ不足だから、ちょっと櫂を漕ぐだけでも結構疲れる。だが漕ぐのを止めて自然に身を任せマングローブの空気に包まれながら白い雲を眺めるのも乙なものだ。
マリンスポーツをするほどアクティブではないが、こういうほのぼのとした活動は積極的に取り入れたいものである。

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マングローブ茶屋の場所だが、レンタカーで行けば国道58号線を下るだけなのでわかりやすいが、バスだと少々分かりづらい。土地勘のない場所で、案内は特になく、近くにバス停があるかどうかの情報さえいまいち掴めない。結局、停留所からは多少歩かねばならなかった。最寄りであり分かりやすいのは黒潮の森マングローブパーク入口停留所だ。入口とそうでないもの停留所があるが腰に問題を抱えている人間でもなければさして違いはない。この停留所の側にある施設はまた違うサービス会社なので注意が必要だ。パークを出て少し南へ行くと看板が見え、受付ができる。
予約が要らないのってのが俺にとって何より重要な事だ。ネットや、島の至る場所で手に入る無料観光案内誌で調べる限り、アイランドサービスなどは要予約制なのでめんどくさい。マングローブ茶屋も要予約なら厭だな、と思ったが、要らないという口コミも見かけたので特攻した。結果、無事、受付できた。料金は1700円。

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受付所とカヌーのあるトコはまた離れているため、受付のおばちゃんに車で運んでもらう。
カヌーに乗り降りする場所の近くには越次橋というバス停があるので帰る際は非常に助かる。名瀬行きも古仁屋行きもある。ただし、80分間隔だ。

そもそもマングローブとは何か?
マングローブ(英: Mangrove)は、熱帯 - 亜熱帯地域の河口汽水域の塩性湿地に成立する森林のことである。だって。正直よくわからん。要は山における高山植物とそのエリアのようなものだと思う。多分。
熱帯地域にはありふれたエリアのようだが、この日本においてはとりわけ希少なものらしい。
指南役に教えてもらった特徴を一つ挙げてみよう。川に面した樹木は奥の樹木よりも背が低い。これは陽光を奥の樹木に分けるためだと言われてる。不思議なことに、川に面した樹木が育ちすぎ背が高くなってしまった場合は、その樹木は朽ち果て、川に流されていくらしい。流石にマングローブツアーを生業としている指南役はお詳しい。

とにかくこのマングローブツアーは奄美大島に訪れたらマストだと思った。


奄美大島に到着してから前半が過ぎるまでを振り返る。
空港からホステルのある名瀬に向かうまでのバスに乗ると、運転手のおじいちゃんがちょっとした観光案内を始めてくれた。個人的なサービスなのか奄美大島全体で観光を盛り上げようという意図があるのかは知らないが、なんにせよ嬉しい。途中で大島北高の生徒たちが乗ってきて観光客の数を上回ったが続けてくれていた。
道の至るトコに咲いてる赤い花はハイビスカスなんだとか、黒糖焼酎は焼酎というよりラム酒に近いとか、鶏飯は琉球の宮廷料理を奄美人が庶民向けにアレンジしたものだとか、そういう小話が割と面白い。
今や名物だが、サトウキビの持ち込みはいいことばかりではなかったようだ。運ちゃんによると、琉球へ行こうとした奄美人が、台風に流され中国に流れ着き、そこで非常に高価な漢方の一種、サトウキビを密輸し始めたのが事の始まりらしい。これはバレていたら関係者はみな死罪ものだったようだ。とにかくサトウキビが奄美で栽培され始めると、薩摩藩の徴収が厳しくなった。税金は払えても、畑を維持する費用が賄えないなど、苦難の道を歩んできたらしい。
ただの路線バスなのにこういったありがたいお話が聞けるとは思いもしなかった。おっと、ちなみに路線バスはスピーカーの精度も悪く俺の耳も遠く記憶はさらに不確かなので、上記の記述には誤りがあるかもしれない。彼の伝えた事と俺の記述には食い違いがあるだろう。だがこれは是非もないもので、重要なのはスピリットだ。話を聞けたという体験こそが特筆するべき素晴らしきことなのだ。
名瀬まで美しい景色もたくさんあった。特に海は綺麗だった。奄美の海岸はどこも綺麗だ。"なになに浜"と名の付く一帯はやはり大体綺麗だった。青く、エメラルドグリーンの海を車窓から眺めていると、心が洗われる。

夕飯はやんご通りにある居酒屋のようなとこに入って焼き鳥と黒糖焼酎をオーダーした。
一人で居酒屋に入るのは初めてなので少々緊張したが、なんとかやり過ごせた。

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美味い。
やんご通りは奄美大島屈指の繁華街で、飲み食いするには困らない。
名瀬は非常に栄えている。もちろんミニマムな街ではあれど何を為すにもこのエリアで事足りそうな感じがする。無論、イメージでしかないが。

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朝飯はこれ。泊まった宿の近くにあるサンドイッチカフェなる場所で食った。
セルフサービスのお店なのでとっつきやすい。サンドイッチは美味いしコーヒーも美味いし値段は安い。結構繁盛している。

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昼飯はこれ。無料観光案内誌を参考に訪れてみた。鳥しんという料理屋だ。
メニューは色々あったが鳥しん丼にした。美味かった。もっと色々食いたい。まだ鶏飯もヤギ汁も食ってねえんだぜ。

しかし夕飯を取り損ねた。この日はあまり睡眠を取れてなく、その上、マングローブでカヌーを漕いだり、土盛海岸を探してあやまる岬から歩いたり、そういったモロモロで疲れていたため、宿でベッドに転がったらすぐ寝てしまった。貴重なメシの機会を一つ無駄にしてしまった。

午後はあやまる岬へ向かった。まず名前がいい。
一帯の丘陵があや織りの鞠に見えることから、この名がついたらしい。

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バス民が困るのが、この島では一時間か二時間単位でしかバスが来ないことだ。あやまる岬で降りたはいいものの見るものを見てしまえば用は済む。土盛海岸も行きたいがバスを待つのがめんどくさい。だから歩くことにした。

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日本と言えど南の離島なだけはある光景だ。もし俺がカザフスタンから旅行にやってきた羊飼いだったら、こういった道を歩くのは躊躇っただろう。何が現れるかわからないからだ。俺が日本人でこれまで日本で暮らしてきてそういった苦難に遭遇してこなかったため、こういった道にも野党が現れることはないだろうと思えている。もちろん奄美大島は平和な離島なので統計から言えば安心できるが人通りの少ない道は基本的には、常に怖いものである。だが同時に、ワクワクするものだ。

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3km以上歩いて民家を掻き分けようやくそれらしい場所に到達した。
県道601号線には一応土盛海岸の入口の看板があるものの、その近くにはバス停はないため、俺はスルーしていた。何せ19時までにはホステルにチェックインしなければならなかったから、バス停を確認せねば安心できない。だからわざわざバス停を探した。そして見つけたが、バス停の近くの道から行ける海岸は土盛海岸ではないことが判明した。

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土盛海岸の1km南にある名も知れぬ海岸にやってきていた。(もしかしたら土盛海岸の一部なのかもしれないが…)
360度見渡す限りに人がいない。この光景を俺一人が独占していた。
砂浜を歩くと漂流物や貝を見つけた。干潮だから、海岸には無数のプールができていて、逃げ遅れたらしい不思議な生き物も泳いでいた。
俺はこの謎の海岸を心ゆくまで堪能して帰った。