僕はきっと旅に出る

情報に疎く、垢抜けず、光を避けて歩くタイプの人間が、旅に出てしまい、どこにでもある体験やありふれた事をわざわざ発表しているブログ。

奄美大島後半 

古仁屋を訪れてみる。

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古仁屋の海の駅前のお魚プール。

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加計呂麻島や請島などの奄美大島の南の離島はこの古仁屋からフェリーが出ている。しかし時間帯が時間帯なので俺は断念した。
潮風が心地いい。

屋入という停留所で降りてみる。
名瀬からは当然離れていて龍郷町からも離れている。

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山と緑と電柱と道路しか見当たらないかもしれないが、この異彩を放つ建物を絶対に無視できない。
鶏飯のひさ倉というメシ屋だ。ぽつんと建っている。近くには小さなライブ会場ともう一つ飲食店がある。だがそれだけだ。民家の一つも見当たらない。山に囲まれている。こんな状況では、砂漠の中のオアシスのような場所に見えてくる。

どうやら有名店らしい。
初日のバスで運ちゃんがおすすめしていた。
かの天皇様もこの店で鶏飯をかき込んだらしい。平日の11時半なのに店内には既に20名客がおり、さらに次々と来店していた。
観光客も島民も奄美大島中から車を走らせてこの屋入に集まるのだろう。

とりさし付き鶏飯を注文。1500円。
鶏飯とは奄美大島の名物料理だ。これを食べずに帰る事はありえないだろう。
とりさしは鳥の刺身らしい。え、マジか、と思いつつ食ってみると美味い。
名店は今やパリやニューヨークには無く、僻地にあるというジャーナリストの言葉を思い出した。
(関係ないが今日から俺の好きなシェフのテーブルの甘味篇がNetflixで配信される。タイミングよく帰ってこれたものだ)

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写真を撮っていないが焼き鳥のてっちゃんという店で食事していたら、隣の中年男性二人に絡まれた。
これが気の良い人たちで、この人たちの善意のままに焼酎を1リットル飲んだ。俺はべろんべろんだがなんとか正気を保っていた。
油ソーメンという名物もおごってくれた。もう頭が上がらない。鶏飯丼と焼き鳥8本と油ソーメンに加え焼酎1リットルなのできつかったが俺の小さな胃袋は消化してくれた。
色々話したがこの二人は大物なようで一人は店のシンボルの龍の装飾(かなり目立つ)をデザインしたようだ。途中からこの人の息子も現れて台湾で自分の芸術品を売り込んだ話をしていた。
旅先の一期一会はままあるハナシだがこの日ほど飲んだ経験はない。写真には撮らなかったが記憶に刻み込まれる夕食だった。

ところで写真を撮るという行為が俺的にはなかなかのストレス案件だ。
人や料理や建物などは失礼じゃないかとおそらく余計な心配をしてなかなか撮れないし撮るときもめちゃくちゃ神経を使っている。
でも後から見返して思い出にふけりたいという欲求も確かにあるので撮りたいのだがなかなか吹っ切れない。俺には写真家の才能はないらしい。

奄美大島を総括するととにかくめちゃくちゃ良い場所って事だ。
綺麗な海や自然を求めているなら訪れるべきだ。日本では珍しいエメラルドグリーンの海と亜熱帯広葉樹の広がる一風変わった山と植生が見られる。
雄大な自然とミニマムな町々は、自分の取るに足らない人生――単調でくだらない労働にあくせくと従事している現実――に目を背け、これが生きがいってやつだよな、と思わせるに足る十分な経験を提供してくれる。
お金に余裕があれば喜界島、徳之島、沖永良部島といった離島も訪れてみたい。南西諸島には本州とは違った夢が詰まっている。